人それぞれ、さまざまなセックスがありますが、その中に「アナルセックス」があります。
アナルセックスに興味はあっても、どうやってやればいいかわからない、まわりに聞けない、など悩みをもつ方も少なくありません。
そこで、LGBTQ向けメディア「GENXY(ジェンクシー)」の編集長である上地さんに、初心者のための正しいアナルセックスの方法をおしえてもらいました。
アナルセックスに興味がある方はぜひチェックしてみてください。
テキスト:上地牧人(編集者)
みなさん「アナルセックス」と聞くと、おおくの人は「ゲイの人だけがするもの」「ごくごく一部の人がするもの」という認識をもっていると思います。
実は誤解で、ストレート男女の約30%はアナルセックスの経験があるいう調査データもあり、さらには世界最大のアダルトサイト「Porn hub」が発表している年間検索ランキングでは、「アナル」と検索する男性が全体の7位、女性でも7位と、男女ともに人気のあるセックスジャンルなのです。
これだけアナルセックスについて興味を持つひとは多いのに、Google検索をすればアダルトサイトしかヒットせず、正しい方法がなかなかシェアされていないと思います。
そこで今回は、ゲイの視点から、アナルセックス初心者のための方法をお伝えしたいと思います。
まず、いきなりセックスをするのではなく、まずはアナル(肛門)という器官がどういうものなのか?それを知ることが大事です。
大前提として、アナルは排泄器官なので「出口」ですが、セックスで活用する場合は「入口」になります。
アナルは、女性の膣のように大きくひらくことはできません。
膣は胎児を出産しやすい設計になっているため伸縮性がありますが、それにくらべ肛門はとてもせまくつくられています。
じゃあ、ペニスを入れることは不可能なのでしょうか?
不思議なことに、人の肛門は3.5~4mmほどひらくことができ、ペニスが入る部分(直腸)の奥行きは成人で約20cmほどあります。(*個人差あります)
そして、日本人男性の平均的なペニスサイズは、長さ13.56cm、亀頭の幅 3.53cm、竿の幅 3.19cmです。(TENGA 2014年調査より)
つまり、アナルにペニスを入れることは、現実的にはなんら問題ないといえるでしょう。
アナルセックスをいきなりはじめてはいけません。最も大事なのは「下準備」です。
ふだんは排泄でつかっているアナル(肛門)にいれるわけですから、清潔にするべく洗う必要があります。
下準備は大きくわけて「アナルを洗う」「アナルをほぐす」の2つの工程があります。
順を追って説明していきます。
「アナルを洗う」手順
① トイレで用を足す
シャワーの前にトイレを済ませます。腸にのこった便を、まずは出せるだけトイレで出しておきます。
② シャワ浣をする
直腸をシャワーで洗うことを「シャワー浣腸(通称:シャワ浣)」といいます。手順はこちら。
シャワーヘッドを外して、ノズルだけにする。
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ぬるま湯を出す
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肛門に当て、中にお湯を入れる
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中にお湯がたまったら、それを出す
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さきほどの手順を数回繰り返す
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便がでない、透明な水が出たらOK
注意すべきは、シャワーの水流が強すぎたり、洗う回数が多すぎるのはNGです。
どちらも直腸の奥にまでお湯が入ってしまうことで、体内に入ったお湯が時間差で下りてくることがあるからです。
セックス中に便が出るのをおそれて、何回も何回もする人がいますが、数回程度に止めておく方が良いです。そもそも便意がない時点でお尻の中はキレイなので、直腸内を軽くすすぐようなイメージでおこないましょう。
アナルがきれいになったら、次はアナルをほぐしましょう。
アナルは固く緊張した筋肉でできているので、いきなりペニスをいれると痛みを生じます。アナル周辺の筋肉をやわらかくほぐすことで、入りやすくする必要があります。スポーツの前にストレッチをするイメージですね。
① ローションをつけてマッサージ
お風呂場にローションを用意しておきます。ローションを手にとり、アナル周辺を円を描くようにゆっくり1~3分ほどマッサージしましょう。
アナルの入り口、そして会陰(陰嚢~アナルの間)もマッサージすることで筋肉の緊張がほぐれます。
② 指をいれてほぐす
緊張がほぐれてきたら、アナルに指を入れてみます。
指1本入れてゆっくりなじませて、次は2本に増やしましょう。2本まで入ったら、入れた指をゆっくり開いてアナルの入り口を広げてみましょう。
アドバイスとしては、アナルは横に開くよりも縦の方が開きやすいので、縦に伸ばすといいです。
もし、指で痛みを感じたら、一旦とまったり、ゆ~くり動かしたり、あせらずにじっくりと入り口をひろげるイメージでおこないましょう。
③ 最後にすすぐ
アナルを十分にほぐして大丈夫そうであれば、中を軽くシャワ浣ですすいだらOKです。
普段からアナルセックスをする人でも、この「アナルをほぐす」行為を忘れている人がおおいです。
これをするかしないかで痛みが大幅にやわらぎますので、ぜひともやってほしい手順です。
下準備ができたら、いよいよ本番です。
アナルセックスには、「ローション」と「コンドーム」の2つを使用しましょう。
アナルは膣と違って自然に濡れることはないので、乾きづらい持続性の高いローションを使うことをおすすめします。
個人的にも、ふだん使っているbda ORGANICの「オーガニック ジェリーローション ハード」は、持続性がありつつ天然成分がたっぷり入ってアナルにやさしいので、ゲイたちにもかなり好評です。
また、膣のセックスと同じで、アナルセックスにおいてもコンドームは必須です。HIVやさまざまな性感染症を防いでくれます。
アナルはデリケートな部位なので、コンドームは引っ掛かりの少ないやわらかな素材を選ぶと痛みがおさえられます。ラテックス素材(天然ゴム)やiR素材がオススメです。
「洗う」「ほぐす」2つの下準備ができたら、いよいよアナルセックス実践編です。
セックス相手(ペニスを挿入する側)には、ゆっくり時間をかけて挿入してほしいと伝えてください。
まずは、たっぷりのローションを指にとり、アナルに入れてほぐします。(挿れる側が行ってください)
指を1本入れて、ゆっくり円を描くように広げる。
慣れてきたら指2本入れて、おなじく円を描くようにアナルを広げます。
大丈夫そうであれば、ペニスにもたっぷりローションをつけて、ゆ~~っくりと挿入しましょう。
アナルはとても狭く作られているので、いきなりいれられると痛みが生じます。最悪の場合は切れてしまうこともあります。
アナルは入り口こそ狭いですが、中にはいると広い空間になっているので、肝心なのは入り口です。
ペニスをいれる側は相手を気遣うことが大切ですし、いれられている側はリラックスすることでアナルが開きやすくなります。
もしセックス中、アナルが切れて血が出た場合、即セックスは中断しましょう。切れたのにセックスをつづけると、傷がひろがりとても危険です。
主にアナルが切れるのは入り口付近なので、ペニスをいれる側がいきなり入れたり、激しく動かしたりしないこと。そして入れられる側も、事前準備でしっかりほぐしておくことが大事です。
アナルセックスによる快楽は個人差がおおきいです。
そしてある程度の「慣れ」が必要だとも感じます。
最初の頃は「(ちょっと痛いし…なにが気持ちいいか分からない)」と思っていても、回を重ねるごとに「(あれ…ここが気持ちいいかも?)」という発見があります。
セックスで気持ちいいと思うポイントは人によってちがいます。
体位なのか、場所なのか、動きなのか、「自分の気持ちいいポイント」を見つけられると、セックスがどんどん楽しくなります。
そして気持ちいいポイントを見つけたら、恥ずかしがらずにパートナーに伝えてみてください。
相手はあなたが喜ぶような動きをしてくれるはずです。
アナルセックスには独特の手順があるので、やや「めんどくさい」と感じるかもしれません。
しかしポジティブに考えるならば、事前準備で自分のカラダを知ることができるし、セックスではお互いを気遣いながら進めるため、相手との信頼関係やコミュニケーションも生まれやすいです。
興味ある方はトライしてみてください。