パートナーにどうやって提案する?カップルでの潤滑剤テク ③

パートナーにどうやって提案する?カップルでの潤滑剤テク ③

「女性のためのセクシュアルウェルネス」をテーマに、さまざまな「性の専門家」をお招きし、性をもっと正しく、楽しく学べる場所を目指すYouTubeチャンネル「bda オーガニック|セクシュアルウェルネス塾」

今回は「潤滑剤講座」。カウンセリングやメディアを通じての情報発信によって、性生活全般の総合アドバイスをされている、ラブライフアドバイザーのオリビアさんを講師にお招きしました。

挿入時に痛みや違和感がある女性が潤滑剤を使ってみたいと思ってはいるものの、パートナーに切り出しにくいという話は、とてもよく耳にします。やっと「使ってみない?」と提案したところ、「俺が下手だから濡れないっていうのか」と怒り出す男性も……。こうなると女性は二度と提案できなくなるでしょう。どうすれば?

*こちらの記事は3回に分けて配信します。
1回目>> 2回目>> 3回目>>

YouTube動画(下に記事が続きます)

聞き手&text=三浦ゆえ(ライター)

オリビア:潤いが足りないから補うために潤滑剤を使う、というイメージ持っている方が多いですよね。
だから「自力で潤わせたい」と思っている男性はあまり潤滑剤を使うことにポジティブになれないようですが、女性にも「私は濡れるから大丈夫」「潤滑剤には頼りたくない」とおっしゃる方はいます。
でもテクニックや快感と無関係に濡れなくなることは誰にでも起きえます。体調や飲んでいるお薬の影響。そして年齢が上がるにつれだんだんと潤い不足を感じるときが増えるので、潤滑剤を敵対視せず、より楽しくするためのアイテムとして採り入れてほしいですね。

─潤滑剤は敵ではなく味方、もしくはサポーター。「自分には必要のないもの」と決めつけることは、より楽むためのチャンスを逃していることにもなります。
潤滑剤は、基礎化粧品と似ています。肌のトラブルがあればそれを解消するために用いるものであると同時に、よりよい肌の状態を目指すものだということです。

オリビア:潤滑剤はコンプレックス商材ではなく、セックスやセルフプレジャーをよりよくするプレジャーアイテムなんです。
だからパートナーに提案するときも「もっと気持ちよくなるため使おうよ」とプラスの面を提示してはいかがでしょう。
「サンプルをもらったから」とか「ウワサで聞いたんだけど、使うとすごく気持ちいいんだて」とか、あかるく提案してみてください。

─では、気持ちよさをアップするための潤滑剤の使い方とは?

オリビア:前戯でお互いの性器を愛撫するときから、潤滑剤を使ってください。挿入前に使おうとするとタイミングが気になってしまったり、行為が中断されたりして、気持ちもトーンダウンするかもしれないという心配があります。
だったら、その前からお互いに塗り合いましょう。そうしているうちに気づけば塗り終えていて、あとはいつでも挿入できます。女性の外陰部にも性感帯があるので、そこを潤滑剤を使ってヌルヌルさせると快感度もアップします。まさに、一石二鳥ですね。

bda ORGANIC|オーガニック ジェリーローション ソフト
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オリビア:潤滑剤には香り付き、フレーバー付きのものも多くありますが、そうしたものを使うとオーラルセックスがより楽しく、おいしくなります。
この潤滑剤はローションはユズ&グリーンティーのフレーバーなのですが、ユズがややビターでおいしいんです。ずっと舐めていたいという人もいるくらい。
こちらを性器に塗ってお互いに舐め合うと、オーラルセックスの時間がいつもより長くなると思います。

─ただし、口に含まないほうがいい潤滑剤もあります。天然成分にこだわるbda ORGANICのように、粘膜や口の中に入っても安全であることをはっきりと示しているものや、「食品グレード」の表記があるものだけにしておきましょう。もっとも、安全でないものは口に含みたいとは思えない味のものが多いです。
潤滑剤を取り入れることで五感にも刺激を受け、快感もより深いものになります。さらにオリビアさんが紹介してくれたのは、皮ふや粘膜の触覚にアプローチするアイテム。

オリビア:「エクセンス」というフランス発ラブコスメブランドのマッサージオイルは、香りがホットエスプレッソやピニャコラーダなどカクテルのフレーバーで個性的。
そして、使った感触がすごくユニークなんです。皮ふに適量を塗り伸ばしてそこに息を吹きかけると……ブワッと熱く感じる! 敏感なところを探してこれを塗り、そして触るのではなく、息を吹きかける。
前戯の楽しみ方。ふれあいの幅が広がります。

フロリック|トーイローション
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オリビア:女性がひとりで愉しむときにセックストイを使うなら、専用の潤滑剤があるので覚えておいてください。
基本は、ウォーターベースがいいです。こちらは抗バクテリアとか抗菌作用があるグレープフルーツシードエキスが配合されているもの。挿入する前、先端に塗布するだけでなく、全体に塗り伸ばしたほうがいいと思います。

─今回の塾で紹介したのは、多様化する一方の潤滑剤のなかでもごく一部にすぎませんが、女性の身体を考えてつくられているものあり、個性的なものあり、おいしいものあり……そう考えると、潤滑剤はひとりにつき1種ではなく何種類もそろえたくなります。

オリビア:今日はどれを使おうかなと選ぶところからすでに楽しいと思うんですよね。自分の潤い不足をパートナーに知っててもらうためのアイテムとして使ってもいいと思いますし、「これ使ってみようよ」と提案することでマンネリ打破にもなるでしょう。
セックスレスに悩んでるカップルが、行為に誘うきっかけにすることもあります。ぜひ気軽に採り入れてみてください。

〜編集後記〜

数年前と比べると、潤滑剤の販路はかなり拡大され、購入へのハードルが著しく下がったと感じます。

しかし「潤滑剤を使ってみたけど、ちっともよくなかった」というカップルの話を耳にすることがあります。詳しく聞くと、使い方が間違っていたり、あるいは潤滑剤を使えば万事解決すると考えて、荒い愛撫をしていたり。潤滑剤は魔法の道具ではなく、あくまで使い方次第です。

はじめて潤滑剤を購入したときが、最初にして最大のチャンス。お互いに、いままでの性行為を一度リセットするような気持ちで、「このくらいの量でいいのか」「このタイミングでいいのか」「どこに塗布すると気持ちいいのか」「塗布した後、どのくらいのスピードで動いたらいいか」といったコミュニケーションを重ね、模索することをおすすめします。

潤滑剤は、あくまで「きっかけ」。最大限に活かすには、会話が不可欠です。

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