セックス用・潤滑剤(ローション)の正しい選び方とは? ①

セックス用・潤滑剤(ローション)の正しい選び方とは? ①

「女性のためのセクシュアルウェルネス」をテーマに、さまざまな「性の専門家」をお招きし、性をもっと正しく、楽しく学べる場所を目指すYouTubeチャンネル「bda オーガニック|セクシュアルウェルネス塾」

今回は「潤滑剤講座」。講師にお招きしたオリビアさんは、ラブライフアドバイザーとして、カウンセリングやメディアを通じての情報発信によって、性生活全般の総合アドバイスをされています。

YouTube動画はこちらから。(下に記事が続きます)

聞き手&text=三浦ゆえ(ライター)

─潤滑剤とは、どのような人が、何のために使うものなのでしょう。

オリビア:潤滑剤は性行為で「潤いが足りないな」と感じたときに使います。痛みや不快感を和らげるためのものですが、それだけでなく、より気持よくなるためのものでもあります。

─セックスで挿入時に痛みが出ることを「性交痛」といいいます。これに悩む人は、自分が我慢すればいい、私だけがおかしいのではないかと思い込む傾向にあり、それが「潤滑剤」という、とても手軽で、まずは一度試してほしい解消法にたどり着く妨げとなっていることもしばしばです。
痛みには耐えなくていいし、誰だって気持ちよくて、楽しいセックスを目指していい。潤滑剤にはその両方の目的があるということです。

性交痛にはさまざまな原因があり、潤滑剤を採り入れても解消できないものもあります。「婦人科形成で”性交痛”が解消できる?【婦人科形成②】」で解説していただいたとおり、解消に外科手術が必要なケースもあります。けれど、まずは潤滑剤を試してみるというのは、ひとつの考え方でしょう。

オリビアさんに、選び方のポイントをうかがいました。

オリビア:ポイントはふたつあって、何を目的に使うか、そして主成分です。粘膜に使うものなので、トラブルの原因にならないよう、主成分をチェックして自分に合ったもの、安心安全なものを選んでください。

─主成分は大きく4つに分けられます。どんな特徴があり、どんな人が使うといいのかをそれぞれ解説していただきます。

1.ウォーターベース

オリビア:はじめて潤滑剤を使ってみようと思った人は、まずはウォーターベースからはじめるのがいいと思います。市販されているなかでも一番バリエーションが多いので何を選べばいいかまようかもしれませんが、そんなときは粘度に注目してみましょう。

 

bda ORGANIC|オーガニック ジェリーローション ソフト
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オリビア:オーガニック成分で無着色なので、原材料の色が薄くついています。
指で触れても糸を引かないくらい粘度が低く、サラサラしています。挿入のとき腟の入り口に痛みを感じるので滑りをよくしたい方や、自分の体液に近いテクスチャーを求めてる方は、こうしてスーッと伸びるタイプがいいと思います。
体液と混ざりあったときに、自然な潤いに感じられます。

 

bda ORGANIC|オーガニック ジェリーローション ハード
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オリビア:「ソフト」と比べると、ややもったりして弾力がある感じで、指でさわると細く糸を引きます。
粘度が高いものは潤いがより保たれ、ヌルヌルしている時間が長いので、挿入中に乾いてしまって痛みや不快感が出る方、パートナーの持続時間が長くて途中で潤いが途切れやすい方には、ハードタイプがおすすめですね。
それでも途中で潤いがなくなったと感じたら、潤滑剤を追加することをおすすめします。

2.シリコンベース

オリビア:ボトルからポタポタ落ちてきて、液状に近いです。シリコンの原材料は鉱物ですが、これがベースになっていることで、粘度が低いウォーターベースよりさらにサラサラした感触になります。
挿入時に使った場合は、ウォーターベースと違って体液のような感触はないですが、腟内がシリコンでコーティングされるので、粘膜を守りつながらツルツルと滑りをよくしてくれます。しかも、それがずっと続くんです。もともと濡れにくい方は一度使ってみれはいかがでしょうか。

シルクィッドナチュラル|シルバー
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オリビア:もうひとつウォーターベースと違うところは、体内に吸収されることなく自浄作用で外に排出されるという点です。また、セックストイと一緒に潤滑剤を使う人も多いのですが、シリコンベースの潤滑剤はシリコン製のトイとは使わないでください。同じ素材同士で摩擦し合うと、変質する可能性があるからです。

3.シリコンベースとウォーターベースのハイブリッドタイプ

オリビア:白濁した乳液状のものや、クリーミーなものがあります。ハイブリッドなだけに、ウォーターベースとシリコンベースのいいとこ取り。
使いはじめはウォーターベースのようにサラッとして伸びがいいのですが、使っているうちにシリコンベース特有のツルツルとすべる感じが出てきて、持続します。やはりシリコン製のトイを使うときは使用せず、ウォーターベースのものを選びましょう。

 

ID|シルク
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シルクィッドオーガニック|シルク
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4.オイルベース

オリビア:持続時間が長いので、途中で乾くのを避けたい方におすすめします。ただ、ゴム製のコンドームを着用しているときに使うのはやめてください。コンドームが破けることがあります。ポリウレタン製のコンドームであれば大丈夫です。

 

YES|インティメイト・オイルローション OB
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オリビア:シアバターが配合されているので、季節によってテクスチャが代わります。気温が低いと固まってしまい、一部が粒状になることがあります。品質に問題はなく、冬はハチミツが固くなるのと同じです。シアバターはリップクリームやハンドケア商品にもよく使われていますが、人肌で溶けていくので、マッサージするように塗り込んでいくと粒が消えてなじんでいきます。潤滑剤としてだけでなく、外陰部や腟の乾燥対策として塗布されている方もいますよ。

─ベースとなる成分だけで4種類もあるとなると迷ってしまいそうですが、用途に合ったものを見極めたあとは、好みや気分で決めていいとオリビアさんは教えてくれました。テクスチャ、香り、フレーバー、パッケージ……。お気に入りの潤滑剤を探し、選ぶのもまた、楽しい時間になるでしょう。
ただし、「腟内に使うのは避けたほうがいい」潤滑剤もあります。動画で詳しく解説されていますので、ぜひご覧ください。

 

〜編集後記〜

女性は痛みに強いといわれます。陣痛に耐えうるよう、男性と比べて痛みを感じにくいようできているのだと。それって本当でしょうか?

たしかに女性の身体は男性と比べると痛みを経験する機会が多くはあります。毎月の生理痛に泣いている女性もいて、性交痛に長い年月耐えている女性もいます。
ですが、そもそも痛みを誰かと比べる必要はまったくありません。自分が「痛い」と感じたら、それは「痛みに強いはず」と自分に言い聞かせなくていいし、「こんな痛みぐらいで」と矮小化しなくていい。

そうではなく、積極的に解消すべきです。
だって、解消法があるのですから。生理痛には鎮痛剤がありますし、ホルモン療法などで痛みの原因にアプローチもできます。陣痛についても、日本は遅れていますが世界では無痛分娩が主流になっています。

「女性は痛みに強い」という思い込みは、解消法への道のりを遠いものにします。まずはそんな考えを、さっぱり捨ててしまいましょう!

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