どうやって使うの?シーン別 潤滑剤ガイド ②

どうやって使うの?シーン別 潤滑剤ガイド ②

「女性のためのセクシュアルウェルネス」をテーマに、さまざまな「性の専門家」をお招きし、性をもっと正しく、楽しく学べる場所を目指すYouTubeチャンネル「bda オーガニック|セクシュアルウェルネス塾」

今回は「潤滑剤講座」。講師にお招きしたオリビアさんは、ラブライフアドバイザーとして、カウンセリングやメディアを通じての情報発信によって、性生活全般の総合アドバイスをされています。

メディアで「セックスのときは潤滑剤を使いましょう」というアドバイスをよく目にするようになりました。そして潤滑剤を購入しようと心を決めたはいいけど、どこで買っていいかわからない。さらにはベッドの上でどう使っていいのかわかからない……。

そんな素朴な疑問にお答えする、永久保存版の講座です。

*こちらの記事は3回に分けて配信します。
1回目>> 2回目>> 3回目>>

YouTube動画(下に記事が続きます)

聞き手&text=三浦ゆえ(ライター)

オリビア:購入する場所は、大きく分けるとオンラインショップとリアルショップがあり、それぞれのメリットがあります。
品ぞろえでいうとオンラインショップが圧倒的で国内外の、多種多様な潤滑剤から選べます。写真が豊富なところとか、動画を掲載しているところもありますので、テクスチャーなどを確認しながらじっくり選ぶのに向いていますね。

─ただ、オンラインショップとなると購入履歴が残したくない、カード決済をすると家族に購入が知られるのでは……という懸念もあります。

オリビア:最近では百貨店やバラエティショップで潤滑剤を取り扱っているところもあります。サンプルが置いてあれば、テクスチャーや香りを手に取って試せます。いまは、ドラッグストアでも一部商品が販売されているんですよ。

ジェクス|リューブゼリー
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オリビア:「リューブゼリー」は日本で初めて女性のために作られた潤滑ゼリーです。最寄りのドラッグストアで一度探してみてください。生理用品やコンドームなどが陳列された棚にあることが多いと思います。

─購入のときに、注目してほしいのがパッケージだといいます。今回の講座で紹介しているものにもチューブ、ボトル、ポンプなどタイプの異なるパッケージが出てきますが、実はさらに多様なのだそう。

ユアサイド|デリケートモイストジェル
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オリビア:行為中は部屋が暗めのことも多いので、このようにワンプッシュで出てくる量が決まっていると、出しすぎる心配がありません。行為の途中に潤滑剤をプラスしたいというときも、片手でスムーズに足せるのがいいですね。

─個包装になっているものは、かさばらないため持ち歩きに便利というほかにもメリットがある。

bda ORGANIC|オーガニック ジェリーローション ハード アロエ&グリーンティ カード型
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オリビア:こちらのカード型は、ふたつに折ると真ん中の部分が開封されて中から潤滑剤が出てきます。内容量は10gで1回分としては十分な量です。
bda ORGANICは名前のとおりオーガニック成分にこだわったブランドですが、そうした潤滑剤はできるだけフレッシュな状態で使いたいもの。使用の直前に開封できるのはうれしいポイントです。

YES|インティメイト・モイスチャージェル VM アプリケーター
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オリビア:同じく個包装タイプで1回使い切りの潤滑剤ですが、こちらはアプリケーター式になっていて、腟の入口にチュッと少量出して塗布できるのに加え、腟に挿入し奥に注入することもできます。
奥からじわじわ染み出してくるようで、自分の体液に近いと感じます。最初から腟の奥まで潤わせておきたいという方に、最適だと思います。

─さらに迷うのが、どのくらいの量を、いつ、どこに使えばいいのかということ。特に性交痛の悩みから潤滑剤を使ってみようと思った人は、「痛くないように」と多めに使ってしまいそうですが……。

オリビア:まずはパッケージに適量が書いてあるので、そちらで試してみてください。たとえば「bda ORGANIC オーガニック ジェリーローション ハード」は、500円玉大が1回分の目安。多く使わなければいけないということはありません。

bda ORGANIC|オーガニック ジェリーローション ソフト
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オリビア:使うタイミングについてはそれぞれの方法があると思いますが、やはり挿入時が多いですね。腟の入り口に塗って、パートナーが入ってくるときの滑りをよくする目的です。

─動画ではほかにも、潤滑剤付きのコンドームなどを紹介しています。潤滑剤を塗布するタイミングに迷わなくていい、便利なアイテムなのでぜひチェックしてみてください。
潤滑剤には、性行為意外にも使うシーンがあります。昨今ユーザーを増やしている、月経カップや腟トレといったセクシャルウェルネスアイテムを使用するときにも、あると便利です。

オリビア:どちらも性行為の最中ではないので興奮していないと、体液量が少なくて挿入しづらいときがあります。
月経カップは経血量が多いときは別として、少ないと挿れにくいですよね。シリコン製のものが多いのでウォーターベースの潤滑剤を使ってほしいのですが、塗布するのは自身の腟口でも、月経カップの縁でも、どちらでも構いません。
やりやすい方法を見つけてください。腟トレボールのようなグッズにも、表面に塗ってなめらかさを出すと挿入しやすくなります。

─こうして性行為以外のときにも使うと、潤滑剤が日常的なものとなり、手に取る頻度が増えるのではないでしょうか。

オリビア:行為をはじめて「今日は潤いが足りないな」というときもあるので、私は枕元のように、すぐ手に届く場所に置いておきます。
使用後は、キャップ周辺に残っている潤滑剤を拭き取って、キャップをしっかり閉めたうえで、陽の当たらない場所に保存ください。
そうしないと水分が蒸発して、含まれている成分が変質してしまう心配があります。特にオーガニック成分が含まれているものは気をつけたいですね。使用期限が書いてあるものはそれに従ってほしいですが、そうでないものでも開封後半年以内に使い切ったほうがいですね。

〜編集後記〜

私にも、「自分は濡れるから潤滑剤はいらない」と思っていた時期がありました。けれどあるとき、まったく濡れなくなったのです。あとで服用をはじめた薬の影響だったとわかりましたが、そのときは焦りました。何をしても濡れない。性的に興奮しても潤わない。気の持ち方だけでは何ともならないということがわかりました。

その状態で挿入も試みたのですが、これまで体験したことのない痛みがありました。ただ痛いだけでなく、不快感や異物感といったものが一緒くたになっていて、なんともイヤな感じです。まるで、やすりで腟内をこすられているようでした。

濡れないことでの痛みは、経験した人にしかわからないのだと知りました。それは、気持ちや努力でどうにかなるのではないということも。

潤い不足が原因で痛いのなら、潤いを足せばいい。いったん「潤滑剤」という扉を明けたなら、その先にはとても広い世界が広がっています。潤滑剤の種類や数は増え、選択肢がたくさんあるからです。好みや気分で選んでいいといっても、たくさんありすぎて何を基準にすればいいのやら……。この講座が広い世界に踏み出すときのガイド役となることを祈っています。

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